赤い狼と黒い兎Ⅱ



「ただいまー」




陽気な声が、玄関から聞こえた。歩南さんは「タイミング…」と呟いて後ろを振り向いた。




「……あれっ!?」

「……何だろう。錯覚かな、馨と亜稀羅と唯兎が見える」




2人は目をぱちくりとさせてあたしたちを凝視する。




「おかえり、曜、要」

「お、おう…ただいま」

「ただいま…?」




未だに驚いて突っ立ったままの2人にあたしは笑いかけた。




『お久しぶりです。曜さん、要さん』

「「………本物!?」」




ハモらなくていい。気付くのが遅い。さっさと座れ。…そんな視線を送ると2人はそそくさと座りだした。




「何で馨がここに…?」

「アルバムだよ、要」




頬杖をついたまま溜め息をつく歩南さんに、要さんは目を見開いた。



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