Love Story's+α



夕方にお風呂に入り早めに晩御飯を食べて


「お母ちゃん、花火」


玄関先に出て送り火を炊き、その横で線香花火を


「お父ちゃんに見えるかな」


「うん、喜んでるわ」


そう、やっと帰って来れたんやもんね。


あんた、あんたが出征する時はまだ三つやったこの子も、もう六つや。


あんたの顔は写真でしかもう分からへんようになってしもたけど。


あんたは「俺は国の為やない。お前等の為に戦うんや」って


阿呆、うちらの為やったら何で這いつくばってでも帰って来てくれへんかったん。


名誉の戦死なんて、そんなんあらへん。



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