図書室で・・・
「・・・・工実。」
俯いたまんまの私に声をかけた先輩はもう一度ギュッと抱きしめてくれた。
あんな話をした後でどんな事を言われるかびくびくしていた。
『汚い』とか言われてしまうんじゃないかと思っていたけど、やっぱり先輩はそんな人じゃなかったんだ・・・。
「・・・・あの、」
「ん?」
「どう思いました・・・・?」
「どうって?」
私の質問に先輩は戸惑っているようだった。
「だって、・・・・・大切だった人のこと忘れたり、嫌なことは脳の中から消してしまったり、なんか卑怯じゃないですか・・・?
都合のいいように自分の脳内塗り替えて・・・。
ひどいとか・・・汚いとか思いませんでしたか?」
先輩は黙ったまんまだった。