聖石戦隊 キラレンジャー
悠月は構えたが、そこに陸が飛び降りてくる。
彼女を抱き上げ再び宙に舞う。

そこでしばらく唖然としていた北山がいきなり立ち上がり、メガホンを振るった。

「カメラまわせ!」

映画制作部のメンバーは慌てて状況を整え、収録開始。

撮影に入るんだわ。変身せず見ていた春風もマイに切り替える。

陸は悠月を抱えたまま印を結んだ。

ひらひら綺麗にひるがえるマント。

「グリーンゴッドハリケーン」

吹き荒む風が、コルソンを浄化に導く。

陸は負担をかけないよう両足で着地すると、悠月を地面に下ろした。
悠月はにっこりお礼を言う。

そっと春風が寄ってきた。

目を伏せて眼鏡を外すと、頷くように顔を上げる。

「さすがね、私はそんなあなたが好きよ。振り向いてくれるまで待ってるわ」

悠月は雰囲気にのまれ、なにも言えないでいた。本物の女優さんみたいだ。

陸が一瞬間を空けて、ほんの少しだけ微笑んだ。

「・・・ああ」

「カットッ!」

北山の大声に三人でびくつく。

「いやあ、ふたりともすごく良かったよ。引き込まれる演技だった」

陸と春風に順番に握手する。

「完成したらぜひ送るから。きっといい物ができるよ、楽しみにしていてくれ」

陸は照れたように頬をかいたが、春風と悠月は顔を見合わせて笑っていた。


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