聖石戦隊 キラレンジャー
その日の帰り。

「俺たちだって戦ったのに、なんか不公平だよなー」

哲平は口を尖らせる。

「まあずっと陸主役の映画だから仕方ないさ。これで俳優デビューとかすんのか」

「興味ない・・・」

からかう健介に、陸がため息をつく。

一方こちらは女子ふたり。

「柿崎さんとは今まで壁があった気がしてたんですけど、ちょっと仲良くなれたかもしれません」

春風がはにかむ。

「春風ちゃん、陸くんのこと好きなの?」

「そ、そんな! 恐れ多いです!」

覗き込む悠月に、慌てて手を振った。


後日きちんと完成した映画が届いた。

素人が見れば、映画館で上映されていても分からないくらいの出来栄えだった。

魔法の部分は若干編集されていたようだが、もちろんラストシーンはあれが使われていた。

同封された手紙には、謹んで卒業作品にさせて頂く、と北山の自筆で添えられていた。



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