聖石戦隊 キラレンジャー
素直に信じられるものでもないが、もう誰でもいいからすがりたい思いだった。

「ほんとか?
じゃあ四人を生き返らせてくれ。俺ひとりで、元の生活になんて戻れない」

「いいだろう」

間を空けずに悪魔は答えた。

「ただし条件がある」

哲平はメフィストフェレスの言葉を最後まで聞いて、ゆっくりと、しかしためらいなく頷いた。

目を瞑る。

ずっと、四人だけは手放さなかった。


それからどれくらい経っただろうか。

陸の指がぴくりとする。

すぐ目を見開いて一気に起き上った。懸命に脳を働かせるが、どうも記憶が曖昧だ。

いち早く悠月の元へ向かう。

呼びかけながら彼女を揺すると、うわ言のように陸の名前を呟いてぼんやり目を覚ます。

「俺たちは・・・助かったのか」

悠月は一瞬こんがらがったようだった。

首をかしげて、数秒後、整理できたようにぱっと明るく笑う。

< 141 / 153 >

この作品をシェア

pagetop