聖石戦隊 キラレンジャー
哲平が呻く。

四人の視線がいっぺんに彼に集まる。

哲平は倒れたまま大きく深呼吸すると、じっくり四人を確認した。

「天国か?」

「残念だけど現実だ!」

健介が透き通った笑顔で肩を叩く。

「生きてるのか。俺たちみんな揃ってヒーローになれたんだな」

「いや、ヒーローはお前だよ、哲平」

陸も笑う。あどけない愛くるしい笑顔。

「本当にお疲れ様でした。ヒーローさんは地上に戻ったら、まず何をしたいですか?」

春風は手のひらを合わせる。

「そうだな」

哲平は泣きじゃくったあとのある悠月をふんわり撫でた。

「まずは、たい焼き食いにいくか」

「うん、スペシャルりんごカスタードとバナナデラックスねー」

五人は晴天の下、いつまでも笑っていた。



   *      *      *



おしまい。

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