聖石戦隊 キラレンジャー
彼とは約束がある。

中学を卒業するあの日。

永遠の別れじゃないとはいえ、やっぱりお前とサッカーできなくなると思うと淋しいな。

はは、でもそしたら対戦相手として真っ向勝負できるじゃねえか。どっちが強いのか決めるいい機会だ。

そうだな。じゃあ、もし最初の試合で勝ったほうが・・・

「健介!」

はっとして振り向くと、哲平が手を振っている。
隣には悠月。チア部が来ないはずの今日も別で応援に来てくれた。

ふたりに声をかけてから、高城台高校のベンチに戻った。

もう秋口だっていうのに汗をかいてる。

タオルで拭ってから、ペットボトルのスポーツドリンクをぐっと飲む。再び汗が滴って落ちた。

おかしいな、地区大会のときもこんなに緊張しなかったのに。

そう、僕にとって特別な試合なんだ。

そしてそれはきっと元にとっても同じはず。


ピーッ

コートに並んで、両チーム全員握手を交わしていく。

「絶対負けない」

「正々堂々、な」

試合開始。



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