聖石戦隊 キラレンジャー
「体育館の床が真っ赤だったのは覚えてる。手術が終わっても全然意識が戻らなくて、正直もうダメかと思ったぜ。医者も、今夜が峠だなんてドラマみたいなこと言ってた」

その夜は、悠月の両親と一緒に病院に泊まった。

「付き合いも長いし、楽しかったこととか、いろいろ思い出してさすがに泣きそうだったな。
おばさんは号泣して疲れて寝てたけど、おじさんはずっと俺の隣で座ってた」

いつしか眠ってしまい、朝日の眩しさに目を覚ます。

おじさん、悠月は?

まだ意識は戻ってないよ。
哲平くん、君はもう帰りなさい。ありがとうな。

なんだよその言い方! もう助からないみたいな・・・!

「大人気なく怒鳴っちまった。まあ中学生だからしょうがないよな」

その時、微かに自分を呼ぶ声が聞こえた。

全員がベッドに注目する。

悠月が起きていた。

母は泣きついて喜んだ。
父も堪えられなかったようで、涙を流して立ちすくんでいた。

すぐに来た医者は、驚いていた。あの致命傷で一命をとりとめるとは。




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