聖石戦隊 キラレンジャー
「しばらくして、おじさんとおばさんは医者と話しに出て、病室で悠月とふたりきりになったんだ。
枕元に行くと、あいつはいつものように笑ってた」

一晩中いてくれたの? やさしいー。

「それで、俺にこれをくれたんだ」

袋の中身は見せてもらえないだろうなと健介は思った。

これ、いつからだろう、無意識に掴んでたみたい。ずっと、離しちゃいけない気がしたんだよー。
だからあたし助かったんだよきっと。
哲平くんにあげるね。
優しい哲平くんにも幸運がありますように。

「馬鹿げた話だとは思ったけど、せっかくだからずっと持ち歩いてたんだ。
たまたまそれを家に忘れた日、階段から落ちて捻挫しちまって。
以来肌身離さず持ってるよ」

「それ、呪い?」

「そっちか」

健介とふたりで笑う。

「姫の可愛いところまたひとつ発見した」

「まあこれは俺も大切にするぜ」

言いながら、制服の内ポケットにしまい込んだ。



   *      *      *




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