聖石戦隊 キラレンジャー
「くそっ!」

哲平はキラアームを地面に投げつける。
カランと音を立てて転がっていく。

春風がはっとする。

「そういえば・・・」


   *      *      *


一方こちらは悠月サイド。

一応地面があってそこに足をつけることはできる空間。

だが周囲は全部闇。真っ暗で、なにもない。とても広いようで、もちろん出口も分からない。

しばらくふたりは歩きまわったり、魔法を放ったりしてみたが、どうにもできない状態だった。

ブラックナイトが座り込む。

「ここにいると生気を奪われていくらしいな・・・じたばたするだけ無駄か」

悠月は彼の斜向かい、膝を合わせるように腰掛けた。

「大丈夫、絶対哲平くんたちが助けに来てくれるよ」

脳天気に笑う悠月。

「・・・東。
 俺は、あんたに感謝してるんだ」

あ、そういえばさっきも名前呼ばれた。知り合いなんだと再確認する。


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