聖石戦隊 キラレンジャー
「でも、結局閉じ込められちゃったねー」

「そうじゃない、そうじゃないんだ」

 匠! 匠っ!

あの地獄の中、偶然現れた。

あたしが、きっとあなたを助けてあげるからね。

・・・? 俺を?

優しく髪を撫でられる。

だって、とっても辛そうだよ。

「昔、取り乱した俺を導いてくれた」

「昔?」

「ああ。
それから最初の大会、チア部を抜け出して、俺に手作りの弁当を持ってきてくれたんだ。普通持ってきてるだろ、弁当。
あそこまでお節介なやつ、初めてだよ」

仕方なしにふたつ食った、と呆れるブラックナイトのそばで、顎に手を当ててみる。

うーん、そんなことあったような、なかったような。つまりは覚えてないわけで。

そこでしばらく沈黙が落ちた。

何もない空間、とても長い時間に感じた。

ずっと、ブラックナイトのヘルメットの横顔を眺めていた。

「あんたがいるから、今の俺があるんだ」

謙虚な台詞と心持ち甘い声に、一瞬どきっとした。

ふいに

「ありがとう」

ぎゅっと抱き寄せられる。


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