聖石戦隊 キラレンジャー
「哲平くーん。明日のあたしの誕生日なんだけど」

穏やかに笑いながら悠月が駆けてくる。

後ろには、健介。


今回は少し時間さかのぼって、中間テスト前、キラレンジャーがまだ三人のころ。

悠月ちゃんのお誕生日のお話です。

「キングダムホテルのスイーツブッフェ! いこーう」

弾んでステップ。
正面まで来ると一回転した。

「キングダムホテルだって?」

突然飛び出した超一流ホテルの名前に、ポカンとする。

すっかり舞い上がった悠月、健介がほのぼの笑いながら付け足す。

「うちの父親が招待券をもらったんだけど、仕事で忙しくて期限内に行けないらしいんだ。
明日の姫の誕生日、ちょうど休みだし。
プレゼントしようとしたら哲平と一緒に行くって」

「おいおい、それは健介と行くべきだろうが」

「あったりまえじゃない?」

悠月は首を傾けた。

健介が胸ポケットからそれを取り出す。三枚ある。
哲平は溢れ出る高級感に釘付けだった。

「家族分の枚数だったんだ。本当は全部友達とと思ったんだけど」

「健介くんと一緒に行きたいし、哲平くんは毎年ケーキ用意してくれてるでしょー」





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