黒縁メガネ男子に恋してる
驚きの声を上げた菜々美を無視して、雄太は智哉をにらむ。
智哉は、メガネの奥の目を見開いて、雄太を見つめ返している。
「なぁ、俺がさっき、大丈夫っつったの、聞こえなかったのか?
親睦を図るのが目的なんだから、多少時間に遅れたっていーんだよ、
それより、全員そろって回る方が大事なんだよっ!」
「…………」
智哉はなにも言わず、握りつぶされた地図に視線を落とした。
あぁ、もうっーーーーー!
雄太は、昔っから、こうなんだ!
自分の思うとおりにならないと、
人をおどして言うことを聞かせようとするんだよね。
そういうところも、男らしくてカッコイイ、なんて中2の頃は思ってたんだから、あたしもバカだった。