黒縁メガネ男子に恋してる

「えっと、あのときは、体が勝手に動いちゃって……」


しどろもどろにそう答えると、智哉は唇をかんだ。


「俺は、金の受け渡しを撮影するって言ったのに……」


「あぁ、うん、そうだったね。
……ごめん」


そう、たしかに智哉はそう言っていた。


そのビデオをあとで雄太に見せて、お金を取り戻す作戦だったんだよね。


あたしは、それを台無しにしたんだ。


言い訳のしようがない。


そっか、それで智哉、怒ってたのか。


でも。


目の前で、雄太がお金を受け取るのを黙って見ているなんて、あたしにはできなかったんだ。

< 351 / 513 >

この作品をシェア

pagetop