黒縁メガネ男子に恋してる
道の先に、見知った後ろ姿を見つけ、あたしは雄太の手を振りほどいた。
「真喜子ー!」
大声で呼ぶと、ぽっちゃりした顔がこっちを振り返る。
少し前に出て、大きく手を振ると、
遠くで、真喜子も小さく手を振り返してくれた。
真喜子の隣には、ひびきがいる。
そういえば、あのふたり、同じ班だったんだっけ。
真喜子は、照れくさそうに、小さく顔の横で手を振りかえしてくれてたけど、
ひびきになにか言われたみたいで、
すぐにまた、こちらに背を向けて歩き出してしまった。