黒縁メガネ男子に恋してる
「ねぇ智哉、次は、どこだっけ?」
「たしか、動物園のポニーは何頭いるかっていう問題だったから、この丘を越えて行けば近いと思う」
智哉が選んだ道は、木々に囲まれた、細い山道のような道。
木の根っこが、道まで張り出してきていて、階段もないし、せまいし、舗装されてないし、すごく歩きにくい。
しかも、思いのほか、急な上り坂。
これ、“丘”っていうより、“山”じゃない?
ふだん、特に運動していないあたしは、すぐに息が上がった。
「はぁ、はぁ、智哉ー、まだのぼるのー?」