黒縁メガネ男子に恋してる

すると智哉は、意味ありげにあたしの顔をのぞきこんできた。


「それに、綾華、どうしても、マラソンはイヤなんだろ?」


ううっ、それを言われると……。


く、悔しい!


智哉、絶対、おもしろがってる。


でも、ホントにマラソンはイヤだから、言い返せない。


あたしが黙り込むと、智哉は目をそらし、突然、プッと吹き出した。


「な、なによ!
そんなに笑うことないでしょ!」


あたしが怒ると、智哉は首を振った。

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