深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
―――シャンデリアの輝き。
色とりどりのカクテル。
綺麗に着飾った女の人たちに、談笑を楽しむ男の人たち。
初めてのパーティーの雰囲気に圧倒されてしまった私は、入口に差し掛かるところで思わず直人さんのタキシードの裾を掴んでしまった。
するとそれに気づいた彼はそっと私の耳元に唇を寄せる。
「………緊張するか?」
直人さんの顔を見ながら頷く私に、彼は柔らかく微笑んでくれて。
「俺がついてるから自信持って歩け」
「―――はい!」
そう言ってくれる直人さんの優しさに嬉しくなって、私は自然に笑うことができた。
そして二人で、会場に足を踏み入れるのだった。