深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





―――それから二日。


ほとんど眠れないまま、今日が終われば明日からは三連休に入る。
眠れなくても、どうにかなる。


(だから今日だけ何とか保たせられれば…)


そう考えながら、とりあえず午前中をやり過ごすことはできた。


今はお昼休み。
私は食欲もなくて、今は朝買った栄養ドリンクだけ飲んで机に突っ伏している。






「―――鶴岡環、いるか!?」


そうやってぐったりしていたとき、ほとんど誰もいない経理部のフロアに私を呼ぶ声が響いた。


聞き覚えはあるけど、誰の声かはわからない。
ゆっくり顔を上げると、その声の主と視線がかち合う。





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