深海の眠り姫 -no sleeping beauty-





「あー、ここ俺んちな。寝ちゃったからとりあえずここに連れてきたんだよ」


彼はマグカップを両手に持っている。
それらをテーブルに置くと、私のすぐそばに座り込んだ。


そこで私が今いる場所がソファの上らしいことに気づいたので、私は慌ててそこから離れた。



「あ、こら!もう少し寝てろって」


「いえ結構です!てかもう帰りますから!」


そう返して私は部屋の入口のところに置かれていたバッグめがけて走り出そうとした。


しかし相手は私なんかよりも明らかにコンディションのよい男性。あっという間に捕まってしまい、私は彼の腕の中にすっぽり収まってしまった。





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