深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
その言葉に、私は身体を芦谷さんから離して精一杯にらみつけた。
涙がこぼれ出したけどもうそんなのどうでもよくて、ただ早く解放されたくて。
「今さら!今さらそんなこと言われたって、誰が信じるの!?人のことペット扱いして、今さら『俺の女』だなんて、馬鹿にして!お願いだからもうこれ以上私にかまわないで!」
芦谷さんの身体にすっぽり覆われてしまう私の身体。
ここは居心地がいいから、これ以上こうしてたら二度と離れられなくなる。
(やっと決心が付いたのに)
引っ張り込まないで。
もうこれ以上、私に染み込まないで。
化粧がとれてしまうのもお構いなしに泣きじゃくる私を、芦谷さんは目を見開いて見つめていた。