夕日塔の約束
ほのかな笑みを浮かべ、夕穂に尋ねる。


夕穂の瞳から、涙が滝の様に流れ出した。


「うん……うん!!日希大好きっ!!」


泣きっぱなしの夕穂は、またオレにギュ~~~ッと抱きついて来た。


“大好き”


ヤバイ、マジでヤバイ。


嬉しくて死にそうだ、オレ………


死因が“嬉しさによる幸せ死”とか…………何言ってんだオレは。


バカげた考えを頭から追い払って、まだ抱きついてる夕穂の頭を撫でた。


「日希……私達、“彼氏”と“彼女”に戻ったんだよね………?」


涙で潤んだ目で、夕穂がオレの事を見上げた。
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