夕日塔の約束
「どうした?具合悪いのか?」


首を横に振り、“違う”と表現する夕穂。


涼しい風が、夕穂のミディアムヘアーをサワサワと上に浮かしていた。


「ちょっと…こうしてみたくなっただけ。迷惑なら離れるけど………」


「迷惑なワケが無いだろ?お前にくっつかれるんなら、オレ嬉しさ以外何も無いんですけど?」


フッと笑って、夕穂の頭を撫でる。


腕に顔を押しつけていた夕穂も、少し笑ったのが見えた。


そのまま15秒程、沈黙が流れる。


最初に話し出したのは、夕穂だった。


「あのさ…色々あったのって、無意味じゃないよね?」
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