夕日塔の約束
座ったはいいが、相手も私もどちらも話し出そうとはしない。


カチカチと、時計の音だけが図書室内に流れる。


『気マズイ』以外例え様の無い空気が、私達2人の周りを取り囲んでいた。


「あ………あの…元気だったか?」


男の子がようやく切り出した内容に、思わず苦笑した。


「クラス違うとはいえ、同学年なんだから見てれば分かるでしょう?それとも………私は見る価値も無いワケ?」


冷たい目で、左隣に座った男の子を見つめる。


赤髪の彼は焦って何か言いたそうにしていたけど、その前に今度は私が質問してみる事にした。
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