あなただけを愛したい
必死に涙を堪えながら、窓から外を見る。


でも……


この沈黙が痛くて……


我慢していた涙が……


目からこぼれ落ちた。



泣いちゃダメ。


あたしが悪いんだから。


泣くなんて卑怯だよっ……


でも一度壊れてしまった涙腺は、なかなか元には戻らなくて……



「……っ……」



小さな嗚咽が、もれてしまった。


カーステから流れる音楽に、かき消されることを期待していたけれど……



「柑那?……泣いてんの?」



すぐにバレた。


泣くなんて、そんなズルいことはしたくないのに。


どうしよう……


涙が止まらないよっ……



先生は、走らせていた車を路肩に寄せて停めた。



「……ごめんなさい……」


「何で謝るの?」


「……騙すようなことをして、……ほんとに、ごめんなさいっ」
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