あなただけを愛したい
「中学の時に終わってるから」


「そうなんだ。じゃあ今は?彼氏いんの?」


「いないよ」



こんなあたしを好きになる人なんていない。



「じゃあ、俺と付き合ってよ」


「ごめん、……好きな人いるから」


「誰?」


「えっ?」


「そいつと付き合える見込みあんの?」



付き合える見込み?


そんなの……


ないに等しい。



「どうかな」


「じゃあ、俺と付き合ってよ」


「ごめん」



付き合える見込みがないってわかっていても……


このままずっと好きでいたいから……


他の人と付き合うなんてできない。



「残念。でも俺、諦めねぇから」




――そのあとは、田中くんと二人で図書室にいるのが凄く気まずくて……


既に整理されている棚を、意味もなく整理し直したりして……


ただ黙々と委員の仕事をしていた。
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