あなただけを愛したい
ほんとだ……


いくら“もっともっと悪いヤツ”と言われたとはいえ、お友達のことを外見だけで判断した。


話せば凄くいい人たちかもしれないのに……


航のことだって、実際に航の口からは何も聞いていないのに、勝手に想像して、勝手に怖くなって逃げた。


最低な人間がすることじゃん。


もう航には……


嫌われたかな――…?


いつの間にか目からは涙がこぼれていて……



「明日、ちゃんと会って謝って来なよ?……ね?」


「……うん。お姉ちゃん、ありがとう」



もしかしたら、航はこんな勝手なあたしのことを、嫌いになったかもしれない。


外見だけで判断する最低なヤツだと思っているかもしれない。


でも、三年近く思い続けて、やっと叶った恋。


こんなに早く終わらせたくはない。


明日、航のアパートへ行って、ちゃんと謝ってこよう。


たとえ、許してくれなくても――…
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