あなただけを愛したい
「ハイ、ストーップ!」



エンドレスに続きそうな会話に、咲季がストップをかけた。


でも……


あたしが航にフラれたら?


そんなこと考えたこともない。


だけど、……ありえる話だよね。


あたしが、ずっと航のことを好きでいるって自信があっても、航に気持ちがなくなったら、もうおしまいなんだ。


七つも年下で、子供っぽくて、我儘で……


それに、航の周りの女の人はきっと、もっと大人で、綺麗で、しっかりしてるんだろうな。


そう考えたら……


うぅ、へこむ。



「柑那?」



ずっと考え込んでいたら、咲季が心配そうに顔を覗き込んできた。



「咲季」



なんか、咲季にいろんなことを聞いてもらいたくなった。


でもやっぱり、目の前に座ってるヤツがいるから、話せない。


それからは、運ばれてくるおいしい料理を食べながら、世間話ばかりしてた。
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