あなただけを愛したい
「ヤダッ…」



涙が出てきた。


腕に力が入らないけれど、出る力をすべて振り絞って、振り払ってみる。


もうダメだ。


そう諦めかけた時……



「お兄さん、嫌がる女の子を無理矢理連れてっちゃダメでしょ」



そう言ったと同時に、捕まれている腕とは反対の腕を引っ張られ、その人の胸におさまった。


誰かが助けてくれた。


無理矢理連れ出した男は、チッと舌打ちをしながら帰っていった。


クラクラした頭を一生懸命働かせて、



「ありがとうございましたっ」



そう言いながら思いっきり頭を下げたら……


グランと視界が揺れた。



「大丈夫っ!?」



その声を最後に……


意識が途切れてしまった――…
< 42 / 453 >

この作品をシェア

pagetop