あなただけを愛したい
「あ、起きた?」



部屋を出て、右側にあるキッチンから聞こえてきた声の方を見る。



「……っ!」



な、なんで!?


ちょっ、ちょっと待って!


何で……あたし、水島先生と一緒にいるの!?



「大丈夫?」


「……」



昨日お持ち帰りされそうになって……


タクシーに乗せられそうになった。


あー、ダメだっ!


全然頭が働かない。



「覚えてない?」



はい、覚えてないです。


ゆっくりと、首を縦に振る。


どうしよう。


泣きそうになるのを堪えて、そのまま先生の方を見ると……



「大丈夫だよ。そんなに不安そうな顔をしなくても」



やさしく微笑みながら話す先生に、胸がきゅんと締め付けられる。



「昨日、男に連れ去られそうになってて、本気で嫌がってるように見えたから、助けたんだけど、……そのあとすぐ寝ちゃってさ。家わかんねぇし、俺んち連れてきた」
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