あなただけを愛したい
そのあとアパートへ帰ると――…


今日もやっぱり茜の姿。


最初に来てから、もうすぐ2ヶ月だぞ?



はぁ…



無意識に溜め息がこぼれた。


俺に気付いた茜は、いつものように腕にまとわりつく。



「今日は遅かったのね」



そう言う茜を見下ろしながら



「今日――…テルに会ってきた」



その瞬間の……


目を見開いて、静かに息を飲むその仕草……


分かりやすすぎだろ。



まあ子供のことは別として、テルがコイツを抱いたことを認めたんだから、少し話してもいいか。



「なぁ、茜」


「な、なによっ」



テルに会ってきたと話したからか、茜は俺の口から出る、次の言葉に怯えているように感じる。



「もしさ、子供がほんとに俺の子だとして……」


「航の子よ!」



と必死に訴える茜に、苦笑する。


“もし”と言う言葉も許されないらしい。
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