愛★ヴォイス
(なんじゃそりゃ~~!!)


そんなの桐原さんに対してだって失礼すぎる。

(確かに……元同級生に奢られてるくらいだけど……それにしたって私がーー)

こんな大柄女が貢ぐタイプなんて、暑苦しいにもほどがある。


ある意味で自分も相当な精神的ダメージを受けた状態で、ふらふらと重い社食の扉を開いた。

どっと昼休み特有のざわめきが外に漏れる。

「あ!紫やっときた!」

食器返却口近くの、いつもの席でレナが手を振っている。

倒れ込むように向かいの席になだれ込んだ。

「何、どうしたの?もう時間無いし、早くなんか買ってきな?」

「……食欲ないからいい……」

「もうっ!桐原クンと連絡取れなかったの?」

うつむいたまま、ふるふると首を振る。

「なぁんだ、上手く言ってるんじゃない」

呆れた口調で、レナは食後のお茶を口に含んだ。

「いったい何が不満なのよ」

「……」

返す言葉が見つからない。

しかし私の不満は明らかだ。
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