愛★ヴォイス
(弁護士か……)

これが声優集団との合コンだったらーーなどと、叶わない夢を描きながら、ポーチに化粧道具をまとめると、社内の女子連中との待ち合わせ場所に急いだ。


この歳でこれだけの合コンをこなしていると、どうにも面子が固まってくる。

部長への昇進をきっかけに、年下男子との結婚に燃える野中部長を筆頭に、営業部の生島恵美、総務部の秦翔子、同じ経理部で同期の柏木レナなど、見た目だけで“これから合コンです!”なオーラを醸し出す一団だ。

私が近付くと、まっさきにレナに袖を掴まれた。

「何よ、あんた『合コンなんて面倒』って言ってたから、今回の企画に名前上げないでおいてやったのに」

同期であるレナには以前本音を打ち明けたことがあるのだ。

「私だって今日ここに来るつもりはーー……」

言い掛けたところで全員揃ったらしく、この仰々しい一団の移動が開始された。


向かう場所は、会社近くのビルの地下にある老舗のイタリアンレストラン。

数分でたどり着くと、地下への階段脇に相手側の幹事らしきスーツ姿の男性が出迎えてくれた。

「野中さん、お待ちしておりました」

うやうやしく執事のように頭を下げる男性。

しかしその胸にはしっかりと弁護士バッチが光っていて、何よりーー

(若いな)

と思った。

部長どころか私よりもいくつか年下なのではないだろうか?
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