たまゆら。


いっそ美奈子に相談してみようか。

そう思って顔を上げた。


染め直したのか、一段と明るくなった長い茶髪を高い位置でポニーテールにした美奈子は、売出し中の某アイドルのリーダーの子に似ている。

強気な目でじっと携帯を触っている姿を見ると、やっぱりためらった。


きっと、いい反応はしてくれないだろう。

――特に、あの人のことだから。



…いや、でも、もう興味はなくなったんだっけ?
巨乳好きだとか女たらしだとか言ってたし。

でも、愛情の裏返しかもしれないし。
うーん。






「…ユッキー?」

「あ、ううん」



結局自問自答を繰り返して、話し出せないままだった。





…どうしよう。


やっぱり、断ろうか。
そう考えながら、もう一度メール画面を開いた。



< 69 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop