モテヤンキーにコクられて
「中学のときは、顧問のいいつけ守ってブラバンでは完璧な演奏をして。

今じゃ考えらんねーけど、規定のシャツ着て、ボタンもココまで留めてさ」



目を細めながら、柴田先輩は一番上のシャツのボタンを留めるマネをする。



……プッ。



ホントに、今じゃ考えられないよね。



「あの頃は、先生にも信頼されて、後輩にも尊敬されてて……いい子ちゃんな自分に酔ってたっていうか。

ブラバン引退して、受験だけの毎日になったらさ……ホント俺にはなんも残ってねーなって思った。ダチもいなかったしな」



……そう……なの?



あたしは柴田先輩のこと、いい子ちゃんだなんて思ってなかったよ?



硬派な感じが、すごくカッコよかった……。



だけど口には出さずに、柴田先輩の話を黙って聞いていた。



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