LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
引き止めなかったのは、成美を泣かせた自分が許せなかったから。

しかし――…。



「何を思っても、後の祭りなんだよな…」



「海斗さん…」



ソファーに移り、成美の鞄を手にした。

金具に結ばれたお守りは、俺の分。

成美の分はなかった。

俺と優里が会ってる事を知って、引きちぎったりしたんだろうか。

昨日まであったのに。

笑い合ってたのに。

どこへ行ったんだろうな。

…成美…。

沈黙が続くリビング。

だが、誠之介君の携帯が鳴った。

知らない番号らしく、躊躇いながら出てる。
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