LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「稲垣ですが――そうなんですね――はい――起きたら僕にでも連絡をするように伝えて下さい――はい、わかりました。ありがとう」



わりと早く電話を切った誠之介君は、1人掛けのソファーに座った。



「成美ちゃん、バイト先の子の家に居るみたいです。泣き疲れて寝てるらしく、帰りたくないとだけは言ってたみたいなので、本人から電話が着たら預かります。その間に、海斗さんも答えを出して下さい。それじゃあ…」



俺の中では、答えは決まってる。

でも、成美は離れるだろ?

左手の薬指に嵌まる指輪に触れると、ひんやりとしてる。

どうしたら、成美と居れるんだろうな。
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