LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
だが、この聞き方なら…。



「すみません、もう一度お名前を…」



「糸田優里です」



「……イトダさん。申し訳ありません。そう言ったお名前の方の通院履歴はないですね」



「そうなんですね。ありがとうございました」



…あいつ、何を考えて嘘を。

“別の病院”とか、もう訊く気はない。

信用ならないんだ、優里に。

本当に妊娠してたとしても、認めるつもりはない。

浮気相手とやらの子かも知れないしな。



「…良く言い切れるわね。さっきまで、私は海斗と居たのよ?」



「だから、何ですか」



中庭に出て、優里に電話を繋ける体勢を整えた俺の目の前。

成美と優里を見付けた。
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