LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「笑ってる」



「ん?」



「成美の笑顔、初めて見た」



「…気のせいだよっ」



成美は耳や頬を赤くしながら、衣服を整える。

ネクタイを絞めながら、成美の様子を笑ってると、ドアがノックされた。



「稲垣さーん。昼食ですよ。ごめんね、他の部屋で捕まって、遅れちゃった」



遅れてくれて、こっちとしてはラッキーな話。

思わずニヤリと笑ってると、成美は苦笑いで「大丈夫です」と、返事をした。



「稲垣さんが優しくて助かるわ」



「そんな事ないですよ」



営業スマイルは得意な成美。

今、違いがわかったかも。




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