LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
単身赴任中の父親。

10年前、母親は歩ちゃんと同じ子宮癌で、この世を去った。

まさか、歩ちゃんまで助からないなんて。

…意地悪だよ、神様は…。

―――歩ちゃんの顔を見たら泣いてしまう。

涙を堪え、歯を食い縛って夜道を進む。

病院から家までは、15分と近めなのに、今日は遠い。

降り出した雨に隠れ、涙を溢した。

…ママ…歩ちゃんを連れて行かないで。

いっそのこと、私がママの元へ行くから…。



「君…、稲垣さんだよね……?」



そう思ってたのに。

私の運命が、大きく変わり始めた――…。




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