LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
私は海斗の手を握り、首を振った。



「結婚式なんて、もうしなくて良いよ。今は、500万円を工面しないと」



「それはダメだ。お義父さんにも悪い」



「……お父さん」



私は海斗の“お義父さん”という一言に、ある事を思い出した。

私名義で、大学へ行く時、いざという時の為に、貯金をしてくれてる筈。



「私が…いや、父親が立て替えて貰えると思います」



それに、父親なら可能だと思う。



「そんな事したら、成美ちゃんの顔に泥を塗っちゃう…!」



「私はもう、香椎家の者です。
私にも協力させて下さい!」



故意な借金でもないし、絶対に、父親なら貸してくれる。




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