LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
下川さんは握った携帯を見ながら、中へと戻ってしまう。



「はぁ…」



…面倒くさっ。

芽ちゃんを引き離し、顔を覗くとメイクが落ち、悲惨な状態。



「何かあった?;;」



「父親が…」



「うん?」



「“子供を産む前に、育ててやった謝礼金を寄越せ”って…。暢が“払う”って……私、どうすれば良いんですか…ッ!?」



…“どうすれば”…。

成美を手招きすると、芽ちゃんの額に拳骨を喰らわせた。

これがまた、良い音がした。

その分、芽ちゃんは激痛で、次は痛みで泣き出してしまった。
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