LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
車に視線を向け、芽ちゃんを手招きすれば、素直に降りて来る。



「――危なっ!!」



「…へへっ。泣き疲れちゃったかしら…;;」



足をふらつかせた芽ちゃんの腕を慌てて掴んで支えると、下川さんが抱き締めに、目の前へ来た。



「ごめんな…。頑張らせてごめん。怒鳴ってごめん…っ」



「暢、謝り過ぎ…。私も、暢の気持ち、一ミリもわかろうとしてなかったわ……」



「良いんだ。俺は、芽が幸せならそれで…」



芽の泣き声を聞きながら、下川さんの俺にはない、タイプの違う大人らしさがカッコいいと感じた。

俺なら、嫌われても、お金を払ったと思う。
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