LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「…お金を渡した時、癖にならなきゃ良いけど」



心配し、止まってた涙をまた流しそうな成美の頭を引き寄せる。

…優しいな、成美は。

だからこそ、下川さんと芽ちゃんに、出会ったんだろう。



「困った時は、いつでも助けてやろう。俺も、お義父さんや下川さんみたいに、でっかい人間にならないとな…」



偉そうに言えても、本当はどうでっかくなるかなんてわからない。

お金の貸し借りは、もうしたくない。

けど、助け合える人たちが辺りに居る幸せ。

忘れたくない。

成美が俺に、教えてくれたんだ。



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