LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
首を傾げながら手を拭く私に、芽は「黙ってたけど…」と一度、唇を噛み締めた。



「暢が…永井さんから訊かれたみたい」



「何を?」



「海斗さんの連絡先」



…何、それ…。



「断ったらしいけど、成美は安易に彼女が居る場所で携帯を放棄しない方が良いわよ。暢は、“俺の携帯からって事も”って、警戒してたし…」



私はレジ台に拳を叩き付け、永井さんへの怒りを覚えた。

それ以上に、“手遅れではないか…”という不安も。

だとしたら、私は彼女を許さない。

決して、許せる筈がない。




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