LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「成美に何かご用ですか」



30近い男としても、声は荒げずに、成美をビビらせないようにした。



「今日は大晦日だ。一緒に過ごせたらと思っただけだ。それが何だと言う」



「妻に惚れたと?」



「あぁ。その通りだ」



…ハッ。

孫でもおかしくない成美を。

見る目の良さは長く生きて来ただけ認めるが、ムカつく。



「妻は迷惑をしています。これ以上、近付かないで頂けますか?」



「何を言う。心変わりがあったらどうする。もしやそれが怖いとな」



「全く。例え本当に心変わりする日が来ても、貴方ではないですね」



俺を馬鹿にして楽しいのなら、楽しめば良いんだ。
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