LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
家に向かい歩きながら考える。

成美は優しさを素直に出せて、でも強い気持ちはそのままで。

今の成美だからこそ、子供を授かり、産めるんだろうな。



「芽は何してるの?」



「あぁ、校歌を弾いてる」



「は?“校歌”!?」



驚くのも無理はない。

疑問に思うのは、当然だ。

マンションに着くと、まだ同じメロディが響いて居た。

さっきより上達してる気もする。



「ただいま、芽」



「おかえりー」



終わりまで弾き、キリの良いところで手を止めた芽ちゃんは、ピアノの譜面台に置かれた楽譜集をペラペラと捲り始めた。
< 449 / 538 >

この作品をシェア

pagetop