桜星サンセット
最後にグループ全員に加藤先輩がコースターを配った。

「全員当たりコースターだから」

裏を返すと私の名前と赤いチューリップが描かれていた。

遥さんはやっぱり真っ赤なバラ。

「コウちゃんはチューリップかぁ。そうそう、そんな感じ」

智美さんが私のコースターを覗き込んだ。

「そうですか?」

「うん。かわいくて、花の代表みたいな。一番最初に覚える花じゃない?」

智美さんはアゲハ蝶。

「女の子みんな花なのに、私だけ虫だよ。どういうこと?」

口を尖らせた。

「羽の青色がすっごくきれい。今にも飛び立ちそう」

「そうだよね。けっこう気に入ってるんだ」

笑いながら言った。

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