桜星サンセット
「実例がいっぱいあるの。イギリスに、ずっと昔から伝説の桜があって、パパとママもそこで出会ったの。それは本当に運命だったってママはいつも言ってる」

「まりこさんとアンのお父さんが?」

「そう。直接結ばれる人同士が会う事もあるけど、本来の伝説は、会った人が連れてくるの。パパとママの例はまれね」

「その桜とうちの学校の桜って関係あるの?」

「イギリスの桜はもう無いの。寿命で。でも、その子供って言うのかな?株分けされた唯一の桜があの桜なのよ!」

興奮気味にアンは言った。

「それを探し当てた時これも運命だって思った。私懸けたの。もう大成功よ」

テンションが上がったアンはピースサインをして見せた。

いくら実例があるからって、伝説をこんなに絶対的に信じているのが不思議だ。

小さい頃から自分の両親を見てきたから、そんな確信を持っているという事なのかな?


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